従前の誹謗中傷A損訴訟においては、被害者の属性、被害の甚大さ、マスコミ側の動機、記事掲載内容をほとんど考慮することがなかった。
これに対し、近時の実務・裁判では上記点数表に記載された算定要素を考慮して、損害額の具体的認定がなされているといえ、点数表は誹謗中傷殿損訴訟における類型化、高額化傾向に寄与しており、このこと自体は、評価に値する。
また、点数表の1点10万円の算定により、マスコミ側の悪質な商業目的のセンセーショナルな誹謗中傷報道に対しては、ある程度高額の損害賠償が認められるようになってきていることも一定の評価がなされるべきであろう。
しかし、一部週刊誌等が意図的な誹謗中傷X損報道を続け、敗訴判決が重なっても改まらないという現状において、点数表に基づく損害賠償額はまだまだ低額に過ぎるといわざるをえない。
また、損害賠償額の上限金額が計算上「1、010万円」にとどまることも問題であろう。
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